自分の分身としてネット空間で活動させるキャラクターへの中傷は、本人への非難と同じだ――。キャラの姿を借りて動画を投稿する「バーチャルユーチューバー」(Vチューバー)の女性が、そんな主張で東京地裁に訴訟を起こしている。仮想(バーチャル)のキャラに、現実(リアル)の人間の権利は及ぶのか。 【写真】息子がネット中傷被害、加害者特定へ裁判「命が危ない」 原告の女性がVチューバーとして活動を始めたのは2019年。女性自身は動画に映らず、代わりにキャラの少女が登場する。女性が手足を動かすとキャラも同じように動き言葉や表情も連動するため、キャラを通じて歌ったりトークをしたりして視聴者を楽しませてきた。動画投稿チャンネルの登録者は数十万人に及ぶ。 だが20年、別のVチューバーを「(女性のキャラが)いじめた」との情報がネットで広がり、女性のキャラに対して「辞めろ」「首つれ」など1万件以上のメッセージが届いた