グラウンデッド・セオリー・アプローチとは,グレイザー&ストラウスによって創始された社会科学の方法論です(グレイザー&ストラウス, 1996)。それは,社会的現象においてデータの収集と分析を通じてデータに根ざした理論(Grounded Theory)の生成を目指すものです。これについては,「事例選出の方法」のページでも触れましたが,ここでは,グラウンデッド・セオリー・アプローチ全体について概説します。グラウンデッド・セオリー・アプローチに関する文献は「質的研究法関連の文献」をご覧下さい。この解説を書くにあたっての,主な拠り所は,比較的新しいStrauss & Cobin (1998)です。 グラウンデッド・セオリー・アプローチをグレイサーやストラウスらの書物を読んで理解することは,初学者には必ずしも容易ではありません。その理由として,1つに,「理論」とはどういうものか,についてイメージが初学