日本のみならず世界中の先進国を席巻する少子化の波。G7各国の合計特殊出生率(TFR;Total Fertility Rate)は人口を維持するのに必要な2.1を大きく割り込んでいる。かつて少子化対策の成功例と言われたフランスでも、2010年に2.0を超えていたTFRは2025年には1.56へと低下し、過去100年余りにおける最低水準を更新している。労働力不足や社会保障制度の限界は、もはや「未来の懸念」ではなく「現在の危機」だ。 こうした状況に対して、私たちが日々ニュースで目にする「若者の経済的不安が少子化の原因」という言説は、実は問題の表層をなぞっているに過ぎないのかもしれない。Melissa KearneyとPhillip Levineが2025年7月に公表した全米経済研究所(NBER;National Bureau of Economic Research)のワーキングペーパー“WHY

