恵比寿ガーデンシネマにて絶賛公開中の『あの夏の子供たち』。フランス映画祭にて来日していたミア・ハンセン=ラブ監督にインタヴューを行った。 彼女の長編処女作である前作『すべてが許される』は、みずみずしさとともに古典的な風格さえも備えた作品であり、新たな若い才能が登場したことを高らかに宣言するものであった。『あの夏の子供たち』は、その処女作のプロデューサーを務めるはずだったアンベール・バルサンというひとりの男をモデルにしている。だが、ハンセン=ラブと彼の共同作業は、彼が自ら命を絶ったため実現しなかった。 『あの夏の子供たち』における、父親の死と少女たちの成長といった題材は、前作から共通して彼女が描き続けているものだ。散在する細やかな断片をつなぎ止めるようにしてひとつの世界を構成していた男が、その作り上げた世界から姿を消してしまうとき、残された者たちはそれをどう受け止めることができるのか。安易な