映画『万引家族』が2018年度第71回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールに輝き、『ジョーカー』は日本での興収50億円超を記録、そして韓国発の『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門を獲得した。 今、なぜ人々は格差と貧困という“リアル”を題材にした映画を観たがるのか? なぜ、こうした映画が増えてきているのか? そんな社会の精神状態を、「『狂い』の構造 人はいかにして狂っていくのか?」(扶桑社)「サイコパス解剖学」(洋泉社)といった作家・平山夢明氏との共著でも知られる精神科医・春日武彦氏に聞いた。 ――映画は“社会を映す鏡”とも言われています。貧困や格差を題材にした映画が続けて作られるのは、やはり社会が貧しくなっているということの現れなのでしょうか? 春日 僕は精神科で外来医をやっているわけですが、どうしても病気になったことで働けなくなっ
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