安藤 徹(あんどう・とおる) 岐阜県大垣市生まれ。名古屋大文学部卒。同大学院修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、龍谷大文学部講師などを経て現職 千年紀事業でさまざまな催しが企画され、『源氏物語』一色で盛り上がる京都。多彩な展覧会や出版物に垣間見える華麗な王朝絵巻に魅了された人も多いことでしょう。 当時の貴族はどんなお菓子を食べていたのか、京菓子資料館で開催中の「京菓子でつづる源氏物語展」を平安時代の文学を専門とする龍谷大文学部の安藤徹准教授と訪ね、物語の中での位置づけも含め解説してもらいました。 旧暦の10月(現在の11月)は亥の月にあたりますが、万病をはらい厄をよけるために、その月の亥の日に亥の子餅を食べる風習が平安時代からありました。中国の習慣を日本の貴族社会でも採用したもので、猪の多産にあやかって子孫繁栄を祈ったとも言います。 『源氏物語』では第九巻の「葵」巻に、光