日本では本マグロと呼ばれ、寿司や刺身として人気があるクロマグロ(注1)。日本はクロマグロの世界最大の消費国で約8割を消費している。一方、キハダマグロはツナ缶の原料として世界中で需要が高く、刺身としても消費されることから、マグロの総漁獲量の約65パーセントを占める。どちらも乱獲から枯渇が危惧されている種だ。 近畿大学は2002年、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した。この技術と経験を、マグロの中で最も漁獲量が多いキハダマグロに応用することを目指して、JICAは独立行政法人科学技術振興機構(JST)との連携による科学技術協力(SATREPS)(注2)によるプロジェクトを2011年からパナマで実施している。 太平洋クロマグロが絶滅危惧種2類に国際自然保護連合(IUCN)は11月17日、レッドリスト(注3)を公表し、太平洋クロマグロなどを新たに絶滅危惧(きぐ)種に指定した。太平洋クロマグロが