【ニューデリー=田北真樹子】在インド中国大使館が最近、中国に渡航予定のインド北東部アルナチャルプラデシュ州の住民に対し、入国査証(ビザ)のスタンプをパスポートではない別紙に押した後、ホチキスで留めて発給したことが明らかになった。中国側も同州の領有権を主張しており、正規の形でのビザ発給に応じられないためだが、インド側から猛反発を受けるのは必至だ。 ホチキスで留められたビザを発給されたのは、同州に居住するインド国籍の重量挙げ選手ら。インド紙によると、選手らは今月15日から中国福建省で開かれる重量挙げ大会に参加するため、今月4日にニューデリーの中国大使館からビザ発給を受けた。だが、11日にデリー国際空港で、インド当局者から「ホチキスで留められたビザは有効ではない」と出国を止められた。 同州は印中両国が1962年に戦火を交えて以来、常に両国間の領土問題となってきた。しかし、2006年、当時の駐印中