自民党が紙を使わない「ペーパーレス化」を進めている。党本部で開く政調の部会といった会議ではこれまで、紙資料が約200部配られていたが、今は資料をタブレット端末で閲覧するスタイルが定着し始めた。菅義偉首相が掲げるデジタル化推進にも沿うが、思わぬ課題も見えてきた。 11月5日昼、下村博文政調会長が本部長を務める「新型コロナウイルス感染症対策本部」が始まると、出席した議員の前に1台ずつ置かれたタブレットに、議事次第が映し出された。紙の束は見当たらなかった。 自民党のペーパーレス化は2018年10月、岸田文雄前政調会長が政調の幹部会議で本格的に始めた。菅首相が今年9月に就任後、デジタル化推進に意欲を示していることを受け、下村氏が党の旗振り役となって政調のペーパーレス化を加速させている。 政調には外交、農林、文部科学などの部会があり、法案審査や政策の議論を行う。説明資料を用意するのは、実はほとんどが