『結婚できない男』が13年の時を経て、まさかの続編である。主題歌は持田香織による「まだスイミー」、前作の主題歌「スイミー」のセルフカバーである*1。「スイミー」のようで、どこか違う。そんな楽曲に同調するように、劇中もまた13年前となんら変わらないようで、微妙に違うのだ。桑野(阿部寛)のガラケーはスマホに変わり、部屋にはAIアシスタントが導入されている。映像ストリーミング攻勢の影響なのか、レンタルビデオ屋には行かなくなった。コンビニにはあいかわらず通っているが、店員はギャルから外国人労働者に。金田のブログを読む代わりにエゴサーチを繰り返し、ネットでの誹謗中傷に心を痛めている。時代に合わせてしっかりと細部をアップデートしながらも、前作のテイストをしっかりと踏襲する筆致が心地よい。桑野のクラシックを聴きながらのエア指揮、橋の縁を触って渡る癖、牛乳と牛肉への偏愛、英治(塚本高史)の2000年代的フ