前回ご紹介した「クッキーベア」ですが、一時期の史料では、これを指して世界最初のコンピュータワーム/ウィルスとしていることがあったそうです。(一部のハッカー以外には) 長きにわたって「感染」元が謎に包まれていたようですから、そう信じてしまったのも無理はありません。ほんの数分端末を離れただけで知らないプログラムが組み込まれるなどということは、当時の常識ではあり得ないことでした。 本物のコンピュータワームが世界で初めて発生したのは、奇しくも「クッキーベア」登場の翌年のことでした。「クリーパー」と呼ばれるそのワームは、PDP-10で動作するTenexというOSで製作されています。開発者はボルト・ベラネック&ニューマン (BBN) 社に務めていたボブ・トーマス氏。BBNはArpanet (のちのインターネット) の通信装置を一手に担っていた会社で、トーマス氏もそのエンジニアとしてさまざまな研究に従事
![2005-01-23](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)