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ブックマーク / hiroyukikojima.hatenablog.com (23)

  • おまけ目当てで買うべきガロア本 - hiroyukikojima’s blog

    7月は期末試験の準備と採点があって、なかなかブログを更新できない。そんな中だが、がんばって、数学書を一冊紹介しよう。それは、デュピュイ『ガロアとガロア理論』東京図書(辻雄一・訳、辻雄・解説)だ。とは言っても、このを勧める理由は、デュピュイの書いた体部分にはない。ガロアの実像については、加藤文元『ガロアー天才数学者の生涯』(中公新書)など、優れた最新の検証文献がある。わざわざ、古い書を読む必然性は薄いと思う。書を薦めるのは、全体の半分もの分量を占める「おまけ」部分がすばらしいから、なのだ。 むかし、ビックリマン・チョコというのがあって、子どもがおまけのシール欲しさに買ってチョコを捨てる、ということが噂になって、社会問題化したことがあった。そのときは、「さすがに自分の幼少期は貧しかったから、買ったチョコを捨てはしなかった。でも、心では、おまけが欲しくて買ってたよな」と思ったものだった

    ogijun
    ogijun 2017/08/04
    あとで買う
  • 宇沢弘文先生は、今でも、ぼくにとってのたった一人の「本物の経済学者」 - hiroyukikojima’s blog

    経済学者の宇沢弘文先生が、9月18日に86歳でご逝去された。ご高齢だったので、遠からずこの日がやってくることはわかっていたし、覚悟をしてはいたつもりだけど、喪失感は予想以上のものだった。おととい、朝日新聞から電話取材を受け、ぼくの追悼の談話が昨日(9月27日)の朝刊に掲載された。学習院大の宮川さん、東大の吉川さんと肩を並べ、弟子としての談話を載せることができたのが、喪失感の中でのせめてもの慰めとなった。 この喪失感は、他のすべてのお弟子さんに負けない自信がある。なぜなら、他のお弟子さんたちはすべて、そもそも頭のいい「学問的セレブ」な人たちなので、宇沢先生に出会わなくても、若干専門分野は違っているかもしれないが、間違いなく今の地位を築いただろう。一方、ぼくはといえば、宇沢先生と出会わなければ、経済学を勉強することもなく、研究者になることも大学教員になることもなく、社会の片隅で世をはかなんで拗

    ogijun
    ogijun 2014/09/29
    読むと泣く
  • 三角関数も進化する - hiroyukikojima’s blog

    今年初めてのエントリーは、三角関数の進化型の解説をしようと思う。 その前に、まずは、近況をいくつか。 新年早々嬉しかったのは、新著『数学的決断の技術〜やさしい確率で「たった一つ」の正解を導く方法』朝日新書が、刊行1ヶ月を待たず増刷が決まったことである。これで、昨年刊行した3冊のは全部が増刷を勝ち取った。 数学的決断の技術 やさしい確率で「たった一つ」の正解を導く方法 (朝日新書) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/12/13メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る多くの人に書が読まれることの何が嬉しいかって、それは、このがまさにぼくの専門である「意思決定理論」のどんぴしゃ・ど真ん中のだからだ。ぼくがこの分野に興味を持ったのは、経済社会における様々な不条理や不平等や不公正は、人々の「意思決定」のありかたに起因するのではないか、と考えた

    ogijun
    ogijun 2014/01/22
    なつかし
  • ABC予想入門 - hiroyukikojima’s blog

    4月になって大学の講義が始まったから、忙しくてなかなかブログが書けない。今回は、短文で済まそうと思う。 先月は、遂に、遂に、雅−Miyaviのライブに行った。赤坂ブリッツ。あまりにすばらしかった。男性ヴォーカリストのライブに行ったのも、感動したのも久しぶりだ。しかも、生まれて初めてのヴィジュアル系(V系)アーティストのライブだし。 雅−Miyaviの音楽は、一言で表現することはできない。非常に奇妙なトッピングになっている。まず、ギターはスラップと呼ばれる独特のスタイルで奏でる。まあ、フィンガーで弦を叩く、という感じかな。したがって、打楽器的な演奏も可能になる。これは、信じられないテクニックだ。ご年配の(同輩の)方々には、キングクリムゾンのベーシストたちのスティックという楽器を連想してもらうのがわかりやすいと思う。(我ながら、ふ、古い・・・)。そういうわけで、ギタープレーは、さながらプログレ

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    ogijun
    ogijun 2013/05/08
    もちろん買ったんだけどいまは読む体力がないかも...
  • ガロアの夢、ぼくの夢 - hiroyukikojima’s blog

    めちゃめちゃ忙しくて、ブログを更新することができなかった。そして、ほんとは今もめちゃめちゃ忙しいので、ブログを書いている暇はないんだけど、7月中にもう一個は日記を書いておきたくて、がんばって時間をとっている次第。 ほんとに最近は、ガールポップしか聞かなくなってしまった。デミ・ロバートはあまりにすばらしすぎる。これで18歳なのか、というとんでもない歌唱力。曲もすごく良いものをもらっている。やはり、アメリカはすごい。デミ・ロバートにしても、テイラー・スイフトにしても、10代でありながら、「絶対、歌をやっていくんだ」という気概に満ちているのがいい。それは、「憧れ」だとか「夢」だとかいう、あまっちょろい感傷ではなく、ふつーの仕事に迎合できないことからの現実逃避でもなく、リアリティのある気概だから清々しいのだ。それは、彼女たちの歌唱力に率直に現れている。気であらゆる時間を投じないとああいうテクニッ

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    ogijun 2010/08/02
    私も『ガロアの夢』には想い出がある。第8章気になるからたぶん買う。
  • 科学への憧れとアレルギー - hiroyukikojima’s blog

    ゴールデンウィークは、息子へのサービス週間。アリバイ作りのために、どこかに連れて行き、必ず写真を撮ることにしている。将来に「父親にはどこにも連れていってもらった記憶がない」発言を封鎖するためなのだ。今年は、5月3日に江戸博物館に行った。親は龍馬展に興味津々だったが息子の希望で常設展へ。5月4日は、科学博物館に行った。親としては大哺乳類展を覗いてみたかったが、息子の希望で常設展に。 科学博物館は、ちびっこたちで一杯だった。みんな嬉々として、計測器で遊び、霧箱の宇宙線に見入り、偏光板の映像を楽しんでいた。ぼく自身は、昨年に行ったときに気になった「連立方程式の求解をする手動機械」(九元連立方程式求解機-コンピュータ博物館)について、今年こそその原理を解明するぞ、という意気込みで解説を何度か眺めた。この機械は、糸と滑車と棒で出来ており、9元連立方程式まで解けるそうな。がんばって考えた甲斐があり、や

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    ogijun 2010/05/06
  • 思想地図vol.5 - hiroyukikojima’s blog

    ぼくが寄稿している『思想地図vol.5』NHKブックス別巻が手元に届いた。テーマは、「社会の批評」。分厚く、読み応えのある分量であり、内容も多岐にわたっている。 NHKブックス別巻 思想地図 vol.5 特集・社会の批評 作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2010/03/25メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 38人 クリック: 888回この商品を含むブログ (60件) を見るまだ、全部は読んでいないし、たぶんきちんとは読まないだろうな、というページもある。このから今回紹介したいのは、第3部「社会の数理」に、ぼくの論考といっしょに収録されている星野伸明さんの論考「統計学で社会を捉える」だ。ぼくにとっては、星野さんの論考のように、門外漢には見つけることのない専門的な論文を紹介してその意義を語ってくれる論考こそが、読む価値のあるものなのだ。 これはとてもエ

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    ogijun 2010/03/29
  • 女子系数学書の誕生〜「式で書けること」と「計算できること」は違う - hiroyukikojima’s blog

    昨日(12月20日)の日経の朝刊に、ぼくの書いたマーシャ・ガッセン『完全なる証明』文芸春秋社の書評が掲載されたのだけど、読んでいただけただろうか。ぼくの新聞書評デビューとあいなった。これは、ポアンカレ予想のペレルマンによる解決にまつわるルポルタージュなんだけど、我ながら良く書けたと思う。アマゾンの在庫がいっぺんになくなったのは爽快だった。しかし、そんなに人のを売ってどうするね。とほほ。 この頃、書評の才能があるかも、などとほのかにうぬぼれることもあるけど、アフィリエイトとやらはやってないのだ。どうやれば申し込めるかわからない、というのが大きな理由だけど、笑い、それよりも書評で金を稼げるようになると、詰まらないまで躍起になって薦めそうで、自分のせこさが露出するようで嫌なのだ。ここでは、(自分のの宣伝以外には)邪心なしに、ほんとに気に入っただけを紹介したいと思ってる。楽しみのために書い

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    ogijun 2009/12/31
  • 数学は言葉 - hiroyukikojima’s blog

    一般の人が、数学を読んで理解しようとするとき、二つの障壁を乗り越えねばならない。一つは、語られている概念が抽象的であること、そしてもう一つは、それを語っている「言葉」が数式というこれまた「読みにくい言語」だ、ということだ。書き手が後者を突破する道は二者択一である。第一の道は、数式を使わず、極力日常の言語で表現すること。第二の道は、あえて「数式言語の読み方をレクチャーする」ことである。でも、第二の道を選択する書き手はほぼ皆無である。なぜなら、相当しんどい作業になる上、それだけの努力がの売り上げに貢献するとは考えられないからだ。かくいうぼくも、第二の道を試みたことは一回しかない。それは『文系のための数学教室』講談社現代新書で、「ルベーグ積分」を題材に、積分記号の読解の作法を伝授した部分だ。そこでのメッセージは、「数式には独特の読解の仕方がある。記号を記号のまま受け入れようとせずに、自分の

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    ogijun 2009/11/23
    この書評がすごいよ
  • 無限を読みとく数学入門〜世界と「私」をつなぐ数の物語 - hiroyukikojima’s blog

    『無限を読みとく数学入門〜世界と「私」をつなぐ数の物語』角川ソフィア文庫がアマゾンにも入荷され、書店にもぼちぼち並び始めると思うので、いよいよ宣伝攻勢をかけよう。 いやあ、感慨深い! とにかく感慨深い! 18年前のぼくのデビュー作『数学迷宮』の復活であり、しかも、進化しパワーアップしての復活である。これは、臆面もなく喩えるなら、我が愛するキングクリムゾンが、常に進化し、古い曲をさらなるテクニックでバージョンアップさせていくのに似ている。そういう観点でいうなら、『数学迷宮21世紀バージョン』あるいは、『数学迷宮パートIV』といった具合だろう。(パートIIもIIIもなくいきなりパートIVとなる、その意気込みだけはわかって欲しい。笑い)。じゃなきゃ、『数学迷宮ヌーボーメタル』(完全にバカ丸出しだ)。 とにかく、このは、自分でいうのも何だが、痛々しいだと思う。しがない塾講師として失意の中で生き

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    ogijun 2009/08/30
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  • 「無限」に挑む物語 - hiroyukikojima’s blog

    いやあ、めちゃめちゃ忙しくて、かなりブログをご無沙汰しちゃってる。 なにせ、ぼくの新著が、6月からの4ヶ月で四冊も矢継ぎ早に刊行される予定なので、原稿の校正とゲラの校正が途切れなくやってくる。そればかりか、朝日新聞のコラム「小島寛之の数学カフェ」(火曜朝刊)も、短いコラムとはいえ、毎週締め切りとゲラの確認がまわってくるので、思ったより大変だ。しかも、その上、学術誌に投稿する論文も並行作業している。そんなこんなでなかなかこのブログを更新することができないのだ。 刊行される4冊のうち、1冊は数学者・黒川信重さんとの共著『リーマン予想は解決するのか?ー絶対数学の戦略』青土社。これは、6月中に刊行されるはず。内容は、今解決の瀬戸際に追いつめられている(ほんまかいな)リーマン予想について、その攻略の手筋を一般向けに解説したものだ。黒川さん呼ぶところの「絶対数学」、専門的には「F1スキーム」という数学

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    ogijun 2009/05/25
  • ケインズ芸人と呼ばないで - hiroyukikojima’s blog

    ケインズ関係で稼いじゃってる。まことにすいまメ〜ン。 ある時期から、一貫してケインズ『一般理論』の批判者でいたつもりなのだが、いつのまにかケインズ擁護者、ケインズ一味になってしまってた。『容疑者ケインズ』プレジデント社が刊行された時期が、リーマンショック直前だった、というあまりのタイムリーが、この事態を招いてしまったのだろう。数学者の黒川信重先生が、先日の対談の折、「リーマン破綻! の大きな見出しが新聞の一面を飾ったときは驚いた」とかいう冗談をいったのが、可笑しくてたまらない。リーマン予想のことじゃないってば。リーマン予想が反証されたって、新聞の一面は飾らないってば。 とりあえず、『容疑者ケインズ』プレジデント社のキャンペーン連載、2回目(http://president.jp.reuters.com/article/2009/03/08/DA4244E0-03E9-11DE-8AA7-D

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    ogijun 2009/03/21
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  • 数学への恋心 - hiroyukikojima’s blog

    今週末に、数学者の黒川信重先生と二度目の対談をする。 一度目は、数学のフィロソフィー - hiroyukikojimaの日記で書いた通り、雑誌『現代思想』での数論の特集号でだった。今回は、雑誌ではなく、書籍を作ろうという企画である。リーマン予想誕生150周年を記念したの予定なのであるが、黒川先生は、リーマン予想解決の直前になるだろう、と驚くべきことを言っている。まあ、黒川先生も加藤和也先生も、かなりおちゃめな人なので、発言についてはジョーク部分をだいぶ割り引いて受けとらなくてはならないだろう。 黒川先生が、リーマン予想解決の鍵になるであろう、といっている「1元体(F1)上の数学」というのが、今回の対談の話題の中心となると思うので、ほんのちびっとだけは話について行きたい、という思いから、その要となる「スキーム理論」の入り口のところを勉強してみた。スキームというのは、「代数幾何学」という分

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    ogijun 2009/02/25
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  • スターリングエンジンと熱力学 - hiroyukikojima’s blog

    小学生の息子に、彼が欲しがっていた「大人の科学」のスターリングエンジンが、サンタさんからプレゼントされた。 大人の科学マガジン Vol.10 ( スターリングエンジン ) (Gakken Mook) 作者: 大人の科学マガジン編集部出版社/メーカー: 学研プラス発売日: 2005/12メディア: ムック購入: 6人 クリック: 88回この商品を含むブログ (31件) を見るこれは、温度差で回転運動をするエンジンのおもちゃである。電池などの動力が入ってるわけではないのがポイントだ。動きの映像は、一番下にyoutubeの画像で貼り付けておくので、是非、その不思議を楽しんで欲しい。原理はわかっているつもりだが、実際にこの目で見るととても感動する。すごくよくできている。熱機関というのが、「熱エネルギーを運動に変換する」だけではなく、「温度差によって周期運動を生み出す」という理解が重要、ということを

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    ogijun 2009/01/16
  • バブルがはじけると激しい不況になるのはなぜか - hiroyukikojima’s blog

    田中秀臣さんのブログによると、「小島寛之さんだっていま総叩きの刑wですが、実物はふつうのおっさんですよ」ということだが、総叩きだったのか、知らなかった・・・。で、ちょっと検索をかけてみたんだけど、「総」というほど国内的にアグリゲイトされた量でもなさそうだし、笑い、しかも普段ぼくが参照してないブログみたいだったので、スルーすることにした。いうまでもないが、もちろんそれらのブログは、たくさんの人にとってすごく有益で面白いものであるに違いないのだろう。でも、残念ながらぼく個人には有益なものではなさそうなのでぼくは読んでない。にしても、確かに田中さんには一度お会いしているので、「ふつうのおっさん」というのは、その通りだし、ここで「アイドル狂いのエロオヤジ」とか書かれないでよかった。(ほんとはそう書かれるのをちょっと期待してたりして)。経済系のブログでは、何人かの人は、政治的プロパガンダやジャーナリ

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    ogijun 2008/12/29
  • 数学の道が閉ざされるとき - hiroyukikojima’s blog

    遅ればせながら映画『容疑者ケインズ』、もとい、映画『容疑者xの献身』を観てきた。 なぜ観に行ったか、というと、ぼくがCDまで買ってしまいそうな勢いの柴咲コウのファンだからでは決してなく、福山演じるガリレオ先生の講義のように教室を女子大生でいっぱいにするにはどうしたらいいかを学びたいから、ってえのでも全くない。実は、小学生の息子が、「どうしても観たい」、といったので連れていくことにしたのだ。息子は、テレビでの『ガリレオ』を観て、このシリーズのファンになったようだ。表向きには、理科マニアであることが理由なのだが、その実、柴咲お姉さまにやられてしまっているのかどうかは定かではない。(ママには内緒にしといてあげよう)。まあ、理科雑誌「RikaTan」(ムペンバ効果と経済 - hiroyukikojimaの日記参照)を与えて以来、繰り返し熟読しているので、まんざらウソでもないだろう。当に、この雑誌

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    ogijun 2008/12/04
  • 波乱の時代 - hiroyukikojima’s blog

    ここの1,2週間は、世界経済が、あまりの激動だった。 ぼくが、経済学と触れたのは、市民講座の宇沢先生のゼミに参加したときだったが、それは80年代後半から90年代の初め。宇沢先生は、ケインズの理論を扱うのに大恐慌の時代の混乱とかを話してくださったが、当時はバブル末期、ぼくには全くピンとこない話だった。まあ、ゼミの初回に、「1ドルが何円って誰が決めてるんですか?」という直球の質問をして、宇沢先生に思わず苦笑されたのが今でもありありと思い出される。そんな経済音痴だったぼくが、経済学者になって、まがりなりにも大学で経済学の講義をするようになってから、牧歌的な風景は一変してしまった。日のデフレ不況と金融危機を目の当たりにし、今回の世界同時金融危機にリアルタイムで接触している。なんということだろうか。 もちろん、経済学者としては、不謹慎であるが、エクサイティングである。 自分が解明したいと考えている

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    ogijun 2008/10/10
  • 「7の倍数」の判定法 - hiroyukikojimaの日記

    家族旅行に行ったとき、息子と温泉に入る機会があり、ぼくが下駄箱の番号を吟味しているのを目撃した息子が理由を尋ねるので、「パパは子どもの頃から素数の番号に入れるようにしている」と答えた。そんな話になった経緯があったので、温泉を出るときに、息子といっしょにロッカーの番号を1つずつ見ながら、「100までの素数」をすべて確認する作業を行った。もちろん、ぼくは昔、整数論研究者を志したぐらいなので100までの素数くらい暗記しているから、息子が結論を出すのをじっくり待ったので、とても時間がかかった。 小学生の息子は、倍数判定法について、2,3,4,5,8,9については知っていたが、「7の倍数の判定法ってあるの?」と聞くので、そういえばあったな、と思い出してみた。結論からいうと、「十の位以上と一の位を切り離し、前者から後者の2倍を引く。この操作を繰り返して、2桁か1桁になって、それが7の倍数なら元の数も7

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    ogijun 2008/09/01
  • メカニズムデザインってだいじだと思う。 - hiroyukikojima’s blog

    坂井豊貴・藤中裕二・若山琢磨『メカニズムデザイン』ミネルヴァ書房を入手した。 メカニズムデザイン―資源配分制度の設計とインセンティブ 作者: 坂井豊貴,藤中裕二,若山琢磨出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2008/08/01メディア: 単行購入: 6人 クリック: 191回この商品を含むブログ (13件) を見る メカニズムデザインというのは、経済学の一分野で、昨年のノーベル経済学賞の受賞分野となったものだ[*1]。おおまかにいうと、「社会における制度や仕組みをどうやってうまく組み立て、それによって人々が個人の心の中に持つインセンティブをうまく露見させ、効率的な経済行動に導くか」といった問題を考える分野である。どんなものかをさくっと知りたいだけなら、ぼくがwired visonに書いた記事、http://wiredvision.jp/blog/kojima/200710/200

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    ogijun 2008/08/26
  • 『容疑者ケインズ』出ております。(序文をサービス) - hiroyukikojima’s blog

    以前、グッバイ・ケインズ - hiroyukikojimaの日記で予告しましたぼくの新刊『容疑者ケインズ』プレジデント社が先週末から書店に並んでおります。カバーは、こんな感じ。 容疑者ケインズ (ピンポイント選書) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: プレジデント社発売日: 2008/08/01メディア: 単行購入: 18人 クリック: 229回この商品を含むブログ (38件) を見るはい。皆さんが今発している独り言、わかります。「容疑者って、いったい、ナニ?」 まったくおっしゃる通り。正直、ぼくにも意味がわからん。これは編集者のつけたタイトル。当初は、「ご冗談でしょう、ケインズさん」というアイデアが浮上してたんだけど、ぼくが泣きながらすがってやめてもらった。ぼくは相当なえげつない書名まで許容できる図太さを持っているが、さすがにこれで自分の限界を知った。ファインマンの名著のタイトルを自分

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    ogijun 2008/08/14