報道によれば、いわゆるWinny事件について大阪高裁が第一審の京都地裁判決を破棄し、Winny開発者である被告人に無罪を言い渡したということである。 本判決が公開された際には全文を読んでみようと思い立つ方もいらっしゃるかもしれない。そこで、本判決を読む際のポイントは何か、ということを提案してみたい。 法律学の観点からいえば、本件の主たる関心は著作権法分野ではなく刑法にある。すなわち本件において幇助が成立するかどうかである。 幇助とはなにか? 本件は、ファイル交換ソフトWinnyをインターネット上で公開し、その後、多くの場合著作権侵害にあたる行為を成すために用いられている実態を認識しつつ、さらにWinnyに改良を加えて提供した行為について著作権侵害の幇助を問われている。 しかし、そもそも「幇助」とは何なのだろうか。 刑法62条は以下のように規定している。 第62条 正犯を幇助した者は、従犯と