地球最初の生命は40億年ほど前に出現したとされる。では生命はその40億年をかけて徐々に徐々に進化したのかというと、実はそうではなく、5億4300万年前の一時期に突如として多様化したと考えられている。それを「カンブリア紀の爆発」と呼ぶ。それまでの30数億年間は生物はほとんど進化しなかったし、また、現在の生物分類の大枠である38門がカンブリア紀にはほぼ出そろってしまったというのだ。では、このカンブリア紀の爆発的な大進化・多様化をひきおこした原因は何だったのか。独自の明快な解答がこの一冊によって示される。 この本は探偵小説の構成で出来ていると著者は最初に述べている。最終の謎解きが第9章「生命史への大疑問への解答」だ。といってもまあ、真犯人の名は書名にもなっている。すなわち「眼の誕生」。だから、とりあえずその第9章を熟読した私を責めないでほしい。 さて、眼の誕生がどうして生物の爆発的進化を呼び起こ