元文部官僚の前川喜平氏と法政大学教授でキャリア教育が専門の児美川孝一郎氏が、この30年の教育政策について語り合った『日本の教育、どうしてこうなった?』(大月書店)。以下では、同書のなかから、2017〜2018年に改訂された学習指導要領の問題点についてお二人が語った部分をご紹介します。 派手な改訂 児美川:2017年・18年改訂の現在の学習指導要領についておうかがいしたいと思います。 この改訂は、教育内容ではなく「育てたい資質・能力」ベースで教育課程を組むとか、「社会に開かれた教育課程」や「学びの地図」といった目標設定とか、あるいは「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)や「カリキュラム・マネジメント」の導入など、なかなかに派手な、いろいろな意味で話題が満載な改訂になりました。 それぞれについては、もちろん多様な意見がありました。批判的な見解も多々出されたように思います。ただし