JR西日本が建て替えを検討するJR畝傍(うねび)駅(奈良県橿原市)の駅舎保存問題で、皇室が利用した貴賓室について、市が保存しない方針であることが、分かった。市は今年度内に駅舎の整備案をJR西に提示する予定で、貴賓室を再現したスペースを駅構内に設ける案などを検討している。 「JR畝傍駅舎の保全活用を進める会」(米村博昭代表理事)が、昨年12月に市とJR西が協議した会議録を市に情報公開請求し、明らかになった。市はJR西に「貴賓室を切り取って残すという発想はない。雰囲気を残したい」と説明したと記録されていた。米村さんは「駅舎は戦時中からの歴史が刻まれた建物。保存へ向けて再検討してほしい」と訴えた。 市街地整備課は取材に対し、「天井や壁も傷んで耐震性もなく、建物として残すのは難しい。貴賓室があったという歴史を残すのが基本」と説明。亀田忠彦市長は「貴賓室は市にとって大切なもの。後世にしっかり残してい