旅する音楽家、久保田麻琴が沖縄宮古島に辿り着いた。 これまで島外には知られることのなかった宮古音楽のルーツを辿ったフィールド録音&復刻盤『南嶋シリーズ』が4タイトル、そしてそれらの素材を久保田ならではのリミックス的手法で料理したBlue Asia名義の『Sketches of Myahk』の計5タイトルが一挙リリースされた。宮古だけに留まらず、沖縄~日本の伝統音楽の古層に触れる歴史的快挙を気鋭の音楽ライター、サラーム海上がインタビューした。 --- サラーム海上(以下"サラーム"): 南嶋シリーズ四枚全て聴きました。半泣きで歌っているようなオバアはいるし、ナラズ者っぽいオヤジはいるし、リズムも濃いし、すごいブルーズですね。これを聴いてしまうと、沖縄本島の民謡が随分と整理された音楽のように聞こえてしまいます。 久保田麻琴(以下"久保田") 「そうなんだよ。実は私も二年前までは宮古にこんな力強