第81期名人戦、藤井聡太竜王(以下、新名人)が4勝1敗で渡辺明名人(以下、前名人)を破り、最年少名人、さらに最年少七冠記録を達成しました。その歴史的な対局を見ていて、それぞれの対局者について感じたことを私なりの解釈でお話ししていければと。 藤井名人という対局相手だと、わずかなミスが… 今期の名人戦を全体で振り返ると、掛け値なしで非常に高いレベルでの攻防が繰り広げられていました。特に中盤戦においては紙一重の展開になる対局が多く、その中のねじり合いの局面で、藤井新名人の方がわずかに高い精度で上回った。その結果が名人奪取に繋がったのかなと感じます。一方の渡辺前名人も、これまでの藤井新名人とのタイトル戦を受けて戦い方を何から何まで、一から見直して名人戦に挑んだなという印象で、すべてをかける意気込みを感じました。