ちきりん:中田さんは横浜市長の時代、さまざまな改革を行われました。総論としては中田さんの改革に賛成している人の中にも、いざ自分のことになると「なんで自分の部署なの?」「まず他からやってよ」と不満を言い始める、と本に書いてありました。 市役所で働いている職員の人たちは、別に莫大な利益を得ているわけではないけれど、長い公務員生活の中でちょっとずついろんな面で優遇されてきた。それが積み重なり、いつのまにか当事者の間では当たり前になってしまっている利益がある。いわゆる“既得権益”になっているものがあるわけで、それをちょっとでも剥奪されるとなると、大きな不利益だと感じる。そういうことでしょうか? 中田:「なんで、私が!? あの人のほうが先でしょっ!」といった優先順位を感じる人が多いんですよ。 例えば交通違反でもそうですよね。駐車禁止のキップを切られたら「こんなことをしている暇があったら、警察は凶悪犯