――西山さんはもともと書籍の編集者で、雑誌のご経験はない中から『リンネル』を創刊編集長として立ち上げられています。けっこう馬力のいる仕事だったかと思いますが、『リンネル』を作りたいと思われたきっかけは何だったのでしょうか。 ひとつのきっかけは、自分自身が30歳を過ぎた頃、「そういえばあまりファション誌を読まなくなったな」と、気がついたことだったかもしれません。 以前は雑誌が大好きで、『Olive』『an・an』『non-no』とか、いろいろな雑誌を読んでいました。ところが30代になると、仕事なり、暮らしなり、なんとなく自分のスタイルが見えてきて、必要だと思う情報が絞られてきたのです。 ところが、多くの雑誌は情報量が膨大すぎて、「消化しきれないし、もういいや」という気分になったわけです。周囲の同世代の友人に聞いてみたら、同じように考える人がたくさんいました。 30代になって、ファッションが嫌