県北地域の郷土料理とされる「つけけんちん」そばは、寒い季節に体も心も温まる。「登喜和家」のつけけんちんは、大根やニンジン、里芋、自家製の芋がら、ちぎった豆腐などを油で炒め、味が染みるまでよく煮込んだ具だくさんの汁にそばがよく絡む。しょうゆ味だが、しょうゆやみりんなどを4カ月ほど寝かせた“かえし”が味の決め手。代表の竹ノ内勝男さんは「家では出せない味とよく言われる」と話す。つけけんちんの汁はたっぷりと大きな器で供される。熱々の汁に入ったけんちんそばもある。 同店は母のときさんが1961年に開業した。2代目の勝男さんは会社を早期退職し、店を継いで16年になる。母親が打つそばは太めだったが、大子町のそば打ち名人に習った勝男さんは細めのそばも始め、太めんと細めんからそばが選べる。 勝男さんがこだわるのは常陸太田市金砂郷地区産の常陸秋そば。同地区の農家から常陸秋そばを玄そばで1年分仕入れ、自らそばの