2014年12月、イオンモールが西日本の旗艦店と位置づける「イオンモール岡山」を開店させた。特色はJR岡山駅から徒歩5分という立地。イオンモールはこれまで郊外に巨大モールを出店してきたが、初めて政令指定都市の一等地に出店し、モール初出店の「ネストローブ」など郊外型のモールにはない「高感度」の店を揃えて新味を加えた。一方、ネットの発達で、トレンドはすぐに地方へも波及するようになった。空間や商品構成がそっくりの「高感度」店が、最近多くの地方にあふれている。つまり、全国各地のあらゆるレベルの消費と風景が「金太郎飴」のように無個性になっている。私は拙著『埼玉化する日本』で、この、どのフェーズの消費も均質化している現象を「埼玉化」と名づけた。 東京生まれの私はファッション誌でも仕事をしており、「感度の高い消費者」という自負があり、モール消費とは縁がなかった。その私があえて06年から埼玉に住んでいる。