放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会(三宅弘委員長)は1日、朝日放送(大阪市)が昨年2月放送したニュースの内容に「放送倫理上重大な問題がある」として、同局に再発防止に努めるよう勧告した。 BPOによると、同局は昨年2月6日の「ABCニュース」で前年の大阪市長選をめぐり、同市交通局の労働組合が内部で「現職市長の支援に協力しなければ不利益がある」と組合員を脅すよう指示した疑惑を報道。内部告発者が同労組を「やくざと言ってもいいくらいの団体」と語る映像も流したが、裏付け取材を怠り、証拠とされた文書が捏造(ねつぞう)だったことが後に判明した。 三宅委員長は「疑惑を報道するなら、取材努力を尽くした上で、あくまでも疑惑の段階と明確にすべきだった」と指摘した。 勧告を受け、朝日放送は「表現方法に行き過ぎた面があったことなどは、真摯(しんし)に受け止める」とコメントした。