宮沢和史の『MUSICK』はベストアルバムではあるのだが、通常のベストとはかなりニュアンスの違う作品となった。新曲3曲、新録音曲7曲が収録されていて、約27年間の彼の音楽活動の集大成であるだけでなく、最新の音楽も見えてくる。つまり未来へとまなざしを向けたくなる作品でもあるのだ。THE BOOMとしてのバンド活動、ソロ活動、楽曲提供による作家活動などを通じて、彼は沖縄音楽、ブラジル音楽、アフリカ音楽など、様々な音楽と出会って、自らの音楽を進化・深化させてきた。『MUSICK』は、彼と一緒に音へ。もしくはより近くへ。THE BOOMは2014年12月に完全燃焼して見事に完結したが、ロケットが何段階かに渡って点火してダッシュを繰り返して高く飛翔していくように、宮沢の音楽の旅は続いている。 僕は音楽を、かっこいいから、オシャレだからってやっているわけではない。 むしろかっこ悪いものだからこそ、やっ