プロの仕事人は いつも変化を歓迎する 私は、仕事の楽しさって、自分の思い込みや価値観が壊される可能性のことだと思っています。新しい人に出会って、自分とは異なる考え方、物事の捉(とら)え方に出合うことほど面白いことはない。それによって、部分的に「自己」がぶっ壊され、そこが何らかの形でまた新たに作り変えられていく……。それがなかったら人生つまらないでしょう。融通無碍(むげ)にみえるかもしれないけど、これが大人の仕事の作法だと思う。 基本的に中学、高校生くらいまでは自分の形成期だから、他者から強い影響を与えられるのは嫌なものです。けれど「自分は出来上がった」と思っている段階は、まだまだ子ども。やっと手に入れ身に着けたものにしがみついているだけなのです。 その自己完結的な価値観や信念を揺さぶられ、壊されていく不断のプロセスの中でこそ大人になっていく。仕事もまさにそうで、たとえばプロの世界は、ある仕