京都大iPS細胞研究所で実験用マウスの不適切な管理が明らかになった。遺伝子組み換えマウスは本当に外部に出ていなかったのか――。研究所は「施設外に出ていない」と主張するが、関係者の話からは「最後の砦(とりで)」の危うい実態が浮かび上がる。 研究所では、実験用マウスはいずれも2階にある実験用の処置室か飼育室で管理されることになっている。実験後には殺処分し、死骸は冷凍庫に保管された後、専門業者が回収する。ところが、調査では、わずか2年余の間に1階の洗浄室で14回にわたってマウスが見つかり、少なくとも5匹は生きた遺伝子組み換えマウスだった。これ以外に6匹の生きたマウスが見つかっていたが、発見当時の資料が乏しく、「組み換えかどうか確認できなかった」(同研究所)。 研究所によると、これらのマウスは、いずれも飼育室から洗浄室に運び込まれた飼育ケース内から見つかった。委託先の業者がケースから紙製のチップを
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