旅行や出張時に便利なキャリーバッグ。最近は旅行だけでなく、日常生活で使う人も増えている。ただ、近くにいる人にケガをさせてしまうなどのトラブルも増えており、歩きスマホやイヤホンの使用などと同等に「歩く凶器」と呼ばれることがある。 国民生活センターのホームページには、「繁華街を歩行中、隣を歩いていた人が曳(ひ)いていたキャリーバッグがぶつかり、転倒して怪我をした」「新幹線下車時、前方の乗客のキャリーバッグに右足を取られて転倒した」などの事例が紹介されている。 裁判になり、キャリーバッグをひいていた人に賠償を命じる判決も出ているようだが、キャリーバッグを使用する人は、どんな点に注意すればいいのだろうか。伊澤大輔弁護士に聞いた。 ●ただ歩いている場合よりも、周りに注意する義務がある 「この問題を考える上で、参考になる裁判例を紹介しましょう。 これは、駅構内において、被告の曳いていたキャリーバッグが