あるいは単純に、UKセレブの面白人物伝かもしれないが、それは、左翼がサヨクになったこの国で、いまあらためて「左翼」を考える契機かもしれない。それは、ガチガチに固く、真面目にしか政治を語れないことへの刺激剤かもしれない。それは、政治家に舐められている我々への励ましの言葉かもしれない。「ザ・レフト──UK左翼列伝」の刊行を記念して、紙エレキングでも人気の、ブレイディみかこと水越真紀の筆談をお届けしよう。 日本を含め、左翼が衰退したすべての国で言われていることだと思いますが、左翼は往々にしてほかの左翼に対して心が狭い。自分こそが正しい左翼なんだと分裂を繰り返し、弱体化してきました。──水越真紀 水越真紀 『ザ・レフト──UK左翼列伝』、一言で言うと、めちゃめちゃ面白かったです。ケン・ローチやダニー・ボイルなど日本人もよく知る正統派の「左翼」から意外性のあるミスター・ビーンやハリボタの作者J・K・