スロヴァキアの山岳地帯に暮らす老人たち。老いるとは何か?それぞれの生き様が人生の終わりを照らし出す。 カルパチア山脈の東側、スロヴァキア南西部のファトラ山地。この痩せた土地で、厳しい自然条件や孤独と闘いながら、農業や羊飼いを生業として暮らす70歳以上の老人たち。からくり人形作りに熱中する男性。事故で歩けず25年間膝を使い暮らしてきた男性。めんどりに聖書を読み聞かせる男性。結核を患い、納屋で50年間暮らすという農婦の姿は、いつか彼女自身の葬儀の写真に連なる。内なる自由をいきいきと生きる彼らにとっての愛や家族、夢、労働や人生の意義とは・・・。 16年の長きに渡り国外輸出禁止となっていた幻の衝撃作が30年の時を経て再びスクリーンに。 本作は1972年、共産党政権下のスロヴァキア共和国で製作されたドキュメンタリー映画である。完成後は16年の長きに渡り当局により輸出禁止とされた「幻の映画」であった。