そういえばハーモニー・コリンの『ビーチ・バム』は、マシュー・マコノヒー演じる詩人の主人公が「結局ヒモやん」というアナクロな人物造形でウンザリした。そういう旧態依然としたサブカル的な経済観念/労働観念にハーモニー・コリンの限界がある。そりゃあ、そういう体制に染まっているサブカル業界人は褒めますよね。マジでこういうのとブコウスキーを一緒にしてくれるなという思いだ。「サム・フリークス Vol.13」で上映する『スマイリー・フェイス』も『ビーチ・バム』との比較は避けられないかもしれないんだが、『スマイリー・フェイス』の主人公は「でも私は親の仕送り頼りのダメ人間じゃない」という台詞があることからも分かるように、経済的自立を維持しているという点は特筆しておきたい。 ブコウスキーは、飲んだくれであったが、「無頼派」とのちがいは、郵便局に勤め、経済的な自律を維持した点だ。「無頼派」を気取る連中の多くは親が