争いの原因は誤解であり、誤解の原因はコミュニケーションの不全だ。話せばわかる。話してもダメなら、歌えば必ずわかり合える。 「僕たちは戦わない」で、「ウッホウッホホ」で、「ドレミファ音痴」で、最近だと「国境のない時代」で、やすすは繰り返しこのことを語っている。平和は目的であるだけでなく、それを実現する手段も、平和なコミュニケーション(話すことや歌うこと)でなければならない。やすすは非武装平和主義者である。 一方、平和の敵(侵略者や独裁者など)を容赦なく粉砕することによってこそ平和は実現するという思想も世の中にはあり、だからこそ正義の戦争はあとを絶たない。武装した平和主義はしばしば現実的と評される。やすすはあくまでも非武装平和主義の理想を掲げ続ける。僕たちは戦わない。みんなで話し合えば、平和で、なおかつ自由な――人々の自己表現や自己実現が抑圧されない――世界が実現する。これはやすす一人の夢想で