昨年12月に大阪市の心療内科クリニックで起きた放火事件では26人が犠牲になった。ノンフィクション作家の吉川ばんびさんは「犯人男性は事件を起こすまで生活に困窮しており、生活保護を2度申請するも、いずれも受給できなかった。事件の背景には、生活困窮者の社会的孤立という問題がある」という――。 【この記事の画像を見る】 ■申請を受理しないのは、れっきとした“違法行為” 貧困をテーマに執筆活動をしているからだろうか。最近、役所の窓口に訪れて生活困窮の相談をしてもどうにもならないまま追い返されてしまった、という人の受け皿として、なぜか作家である自分が機能しつつある。 私の本業は執筆活動なので彼ら彼女らの相談に乗っても私には1円も入ってこないどころか、相談者を適切な支援窓口に繋ぐために数日を費やすこともあり、その間はまったく仕事ができない(生活費を稼げない)ので、窓口の担当者の人には本当にちゃんとしてほ