染みや穴、破れの縫合まで忠実に再現されるボイニッチ手稿の複製。スペイン・ブルゴスで(2016年8月9日撮影)。 世界で最も謎に包まれた書籍の一つとされ、暗号もしくは未知の言語で書かれているとされる「ヴォイニッチ手稿(Voynich Manuscript)」──。これまでのところ、この数世紀前の古文書解読の取り組みは成功しておらず、世界的な暗号解読者による挑戦も失敗に終わっている。 洗練された文字列と奇妙な植物や裸の女性の挿絵が描かれたこの古文書をめぐっては、神秘的な力が宿ると一部では信じられており、その解読に生涯を捧げる専門家もいる。 (中略) だがこのほど、スペイン北部の奥地に佇む小さな出版社「シロエ(Siloe)」が、同手稿の複製を制作する権利を得た。承諾を得るまでに約10年を費やしたという。 古写本の複製を専門とする同出版社は、ヴォイニッチ手稿の正確な複製898部を制作する。複製では