Q.ノーベル賞受賞、改めてどう受け止めておられるか聞かせてください。 A.今でもまだ少し圧倒されていますが、少しずつ慣れてきました。ノーベル賞を受賞するなんて思ってもいませんでしたし、その日に発表されることすら知りませんでした。電話がかかってきたときにはいたずらだと思いました。20秒ほどして、ジョークにしてはシリアスだな、と。 ペーボ博士は、スウェーデン出身の67歳。 ドイツのマックス・プランク研究所に所属しながら、OIST=沖縄科学技術大学院大学の客員教授を務め、研究グループを率いています。ペーボ博士は、絶滅した人類の遺伝情報を残された骨から解析する技術を確立しました。 実は、絶滅した人類の骨はDNAが壊れてしまっていたり、新しい年代のほかの動物のDNAと混ざってしまっていたりして、うまく分析できませんでした。 そこで、ペーボ博士は細胞の核にあるDNAではなく、細胞の中に複数存在するミト