1991年の崩壊から2010年にかけてのロシアは、大変混乱した国でした。 新しい資本主義を取り入れることにも失敗し、一部の富める人たちのもとに富が集まり、政治家の間でも賄賂が横行、どうやって国を治めていったらいいかという大変難しい状況下で経済的にも落ち込み、軍事的にも弱っていました。 そこに、追い立てるようにしてNATO(=北大西洋条約機構)が、ロシアに鞭を振るったという感覚がプーチン大統領にはあっただろうと思います。 実際、この時ロシアに対して手を差し伸べたというのは、おそらくあのドイツのコール首相だけです。ほかのヨーロッパ各国、それから特にアメリカは、ロシアに対して、水に落ちた犬を打つようにして背を向けたと、プーチン大統領は考えています。 ◆ソ連崩壊後の弱体化とNATOの“仕打ち” ところが、かつてソ連と一緒にワルシャワ条約機構に入っていた東欧の国は、2004年までにほぼNATOに入り