無人島で143日間 どう暮らした?天保12年(1841年)1月――それは黒船が浦賀に姿を見せる少々前のこと。 土佐の海で漁をしていた5人の漁師が遭難し、太平洋にポツンと浮かぶ無人島「鳥島」に流れ着きました。 現在の都庁から582kmという、途方もない場所(東京-大阪間の直線距離401km・車で505km)。 江戸時代ですから、それはもう絶望的な距離であることが、以下の地図からもご理解いただけるでしょう。 無人島に辿り着いた5人は、漂着から143日間。 雨水をすすり、アホウドリや魚を食べ、どうにかして命をつなぎとめておりました。 そこへやってきたのが、見たこともないような巨大な船でした。 その大きさには度肝を抜かれるばかりですが、地獄に仏、いやいやまさしく渡りに船。5人はアメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号の乗組員によって救出されます。 「日本人か。ならば国に返さなくてはな」 船長のホイット