「在日韓国人は出て行け」「中国人を殺せ」。ネットで過激な右翼的言論を書き込む「ネット右翼」と呼ばれる人たちは、どんな生態なのか。『ネットと愛国~在特会の闇を追いかけて』の著者であるジャーナリストの安田浩一氏に聞く「ネット右翼のリアル」。3回連続シリーズの最終回をお届けする。(取材・文=ノンフィクション・ライター神田憲行) * * * ――ネット右翼は、なぜあんなに刺々しい言葉を投げかけるのでしょうか。 安田:ネット右翼団体「在日特権を許さない市民の会」(通称・在特会)の人たちに共通しているのは過剰なまでの「被害者意識」です。そんな彼らからすれば、在日、障害者、被差別部落出身などいわゆる「社会的弱者」と言われている人たちこそ、守られて優遇させているように見える。だから彼らに対して罵声を浴びせるのです。 在特会で反・在日といいつつ、リアルに在日の人と接した経験がある人はほとんどいない。その証拠