【ニューヨーク=山川一基】米国の企業会計基準をとりまとめる独立機関、米財務会計基準審議会(FASB)は2日、時価会計の適用基準を緩和することを正式に決定した。証券化商品などの時価が下がっても損失を計上しなくて済むケースが増え、金融機関の業績が底上げされそうだが、財務開示の透明性が損なわれる懸念も出ている。 主に金融機関が保有している売買目的の金融資産は、サブプライムショック後の信用不安で売買が成立しにくくなっている。このため、会計上、極めて低い価格でしか評価されず、金融機関の損失を膨らませている。 もともと米会計基準では、市場が機能していない場合、金融資産の評価に企業独自のモデルや判断などを使える例外規定があったが、適用基準が明確でなかった。2日の決定では「市場が機能していない場合」を「取引が量においても頻度においてもほとんどない」などと定義し、例外規定を使いやすくした。 また満期保