東日本大震災の津波に耐えて1本だけ残り、「奇跡の一本松」と呼ばれる岩手県陸前高田市の松の木から育てた苗木が、島根県の出雲大社に奉納されることになりました。 地元の市民グループは、この松が枯れる前に接ぎ木をして苗木を育てる取り組みを進め、現在、2本の苗木が1メートルほどの高さに育っています。 市民グループは犠牲者を追悼するとともに、震災の教訓を広く伝えることができる場所に、この苗木を植えようと、2本のうち1本を島根県出雲市の出雲大社に奉納することにしました。苗木は多くの参拝客が見ることができるようにと、出雲大社の参道の近くに来年3月、植えられることになっています。 苗木を育ててきた「高田松原を守る会」の小山芳弘副理事長は「多くの人に奇跡の一本松から育った松を見てもらう機会が増えて、とてもうれしいです。2度とあのような被害が出ないように防災意識を高める役割も果たしてほしいです」と話しています。