生まれた時から誰かのサンドバッグだった。 家族の中では末っ子でヒス持ち母のサンドバッグ。 虐待といえるような虐待を受けてたわけじゃないけど、何かあれば私が怒鳴られていた。 そのうち家族中のサンドバッグになっていった。 学校でも友人達のサンドバッグだった。 「こいつには何言ってもいい」みたいなノリ。 テレビ的に言う「イジリ」。 私には苦痛でしかないけど、サンドバッグ根性が染み込んでた私は嫌われたくない一心で何言われてもヘラヘラしてた。 二十代になって変化が訪れた。 会社に就職してからサンドバッグ人生が治まった。 一人暮らしをはじめ自由を得て、会社でも心穏やかに仕事が出来た。 やっぱり社会は違う。狭い世界の家庭内や学校とは違うんだと思ってた。 でも違った。甘かった。 私がサンドバッグにならずに済んでたのは、私の先輩が守ってくれていたから。 私の前にいた何人かの先輩は責任感が強く、仕事仲間への思