バス停で奇妙なことに遭遇する。 何がきっかけでその話題に及んだのかは覚えていない。いつの間にかランチタイムのお喋りはバス停での不思議な出来事に関してになっていた。 私の勤めている会社は少々不便な場所にある。 もともとは都会にあったのだが、事業拡大とともに一部の部署が本社から出ていくことになったのだ。都会はとにかく家賃が高い。そこで目をつけられたのが郊外だった。 そんな訳で勤務地の変更を余儀なくされた社員は、不平不満を口にしながらも概ねは大人しく従った。一部社員は、通勤時間の増加によって退職をするか、あるいは部署異動を希望した者もいるそうだ。 私自身は、本社と支社のおおよそ中間地点に住んでいたため、むしろ渡りに船だった。なにせ、都会に出ていく電車よりも、郊外に向かう電車の方が圧倒的に空いている。 毎朝、通勤ラッシュでぎゅうぎゅうに潰されて過ごすのは、それだけでも気力と体力を消費した。 最寄り
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