これで抜本的な改善ができるのか。またもや看板の掛け替えだけで終わるのではないか。 日本原子力研究開発機構の組織改革案についての危惧である。 原子力機構は4千人の職員を擁し、核燃料サイクルや核融合などの研究開発に当たるわが国の原子力の総本山だ。 今回の組織改革は、核燃料サイクルの中核施設である高速増殖原型炉「もんじゅ」で1万点を超す機器の点検漏れが発覚したことなどを機に、文部科学省の陣頭指揮で着手された。 改革の柱は、組織の分割だ。原子力機構から核融合などの部門を切り離し、別の研究機関に移管する。残ったもんじゅなど核燃料サイクル関連の部門が、原子力機構の主体となる。こうした措置で主要業務を、もんじゅとその関連分野に集約するという。 だが、これが実効ある改革なのか。原子力機構は、平成17年に核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合された組織だ。それを以前の状態に戻すだけだ。 改革案では、