1 図形の対称性と群 1.1 巡回群 A B C D E g E A B C D g D E A B C g C D E A B g B C D E A g 正 5 角形を中心の周りに 72◦ 回転して隣の頂点に重なる移動を g とおくと,2 つ隣 に移る回転は g で 2 回移すので,積として考えて g2 ,3 つ隣に移る回転は g3 ,と表 されます。5 回 g で回転すると,元の位置に戻ってくるので, g5 = e (恒等変換) となります。よって,この回転移動全体 {e, g, g2 , g3 , g4 } は群になります。回転移動は可換なので,この群は可換群です。 例えば,g2 と g4 の積は,1 周してさらに g の移動と同じなので, g2 g4 = g6 = g5 g = g と考えられます。要するに,積は指数の足し算をしていて,5 を超えると,5 を引け ばよいのですね