昭和37年の株式上場以来、営業、最終損益とも初の赤字転落という“敗北”を喫した任天堂。主力の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売低迷などが業績不振の要因の1つ。しかし、これまでも失敗に終わったゲーム機を世に送り出しながら、それを糧に新作を生み出す「冒険」を繰り返してきた歴史が任天堂にはある。年末には新型据え置きゲーム機「Wii U」を投入する“ゲーム王国”の今後の巻き返し戦略が注目される。 「(赤字で)マスコミなどにたたかれることもあると思うが、頑張って」。 決算発表の翌日(4月27日)に東京都内で開かれた任天堂のアナリスト向け説明会。業績や営業方針について厳しい質問が相次ぐ中、出席者の1人から“異例”の励ましの言葉が岩田聡社長にかけられた。 突然のエールに、岩田社長は表情を変えず「この業績ですから、たたかれて当然。理不尽な目に合っているとは思っていない」と冷静に対応した。 最終損失