2010年あたりを境として、徐々にデジタル作画の話を耳にする機会が増えてきた。ところが3DCGによるセルルックの話かと思いきや、2D手描きの話である。事情に疎い人でもデジタル全盛の世の中だけに「まだそこなの!?」と思うに違いない。 当然ながらアニメ業界のデジタルへの取り組みは、最近になってのことではない。90年代後半に盛り上がりを見せたCGブームの最中で進んだのは主に彩色や撮影に関してだったが、今回は後手となっていた作画も本気で移行を進めなければという雰囲気になってきたようだ。デジタル作画の台頭は4Kディスプレーの解像度問題やベテランアニメーターの引退問題など、様々な要因に対する危機感の裏返しでもある。 現在、制作ソフトとして動きが目立つのはフランスのTVPaint、カナダのToonBoom、日本のCLIP STUDIO PAINTと、さながら“三国志”の様相を呈している。そうした状況の下