※注意 2頁目にネタバレあります。 ――元福島第一原子力発電所作業員(以下、1Fマン)であり、死体映画監督でもある釣崎清隆による『シン・ゴジラ』評 画像は、映画『シン・ゴジラ』公式サイトより 映画時評『ファイト批評』(洋泉社)で共著したアイカワタケシからのメールに促されて『シン・ゴジラ』を観に行った。 12年前までの国産ゴジラでは、のきなみ訳の分からない新兵器でゴジラが倒されており、根本的に時代の産物であったゴジラのリアリティに正面から対峙するものではなかった。それに比べて、『シン・ゴジラ』はヒトの手でゴジラを倒すことができるという手応えがある映画であった。 ■これまでのゴジラはリアリティに向き合っていなかった リアリティに正面から対峙しないゴジラは第1作目においてもしかりである。戦後という怨念が具現化した大怪獣ゴジラは「オキシジェン・デストロイヤー」(水中の酸素を破壊する兵器)などで倒せ