普段何気なく飲んでいる薬の値段は、誰がどのようにして決めているかご存知だろうか。実は患者のことなんか考えていない。そこにあるのは自分たちの利益だけーー日本の「薬価の闇」をえぐり出す。 上昌広 (かみ・まさひろ) 93年東京大学医学部卒業。国立がん研究センターなどを経て、現在は医療ガバナンス研究所・理事長を務める 川口恭 (かわぐち・やすし) 93年京都大学卒業後、朝日新聞社入社。'04年に独立し、医療専門誌『ロハス・メディカル』を創刊 中医協というブラックBOX 上 日本は世界の中でもっとも薬の値段が高い国の一つです。それはなぜか。簡単に言ってしまえば、日本の薬価は一部の人間が「適当」に決めているからです。この一部とは厚生労働省が管轄する「中央社会保険医療協議会」(中医協)のこと。 中医協は、厚労省の役人や医師、公益委員など合計20~30名ほどで構成されている。この中医協という組織は、先進