学術会議の1963年の勧告を受けて、まず東京大学が大型計算機に向けて走り出した。文部省はこれを全国共同利用として大蔵省に概算要求した。 IV 大型計算機センターの胎動 1.日本学術会議 1963年5月13日に、勧告「学術研究用大型高速計算機の設置と共同利用体制の確立について」が出された。日本学術会議会長朝永振一郎から内閣総理大臣池田勇人宛に以下の要望が述べられている。 学術研究の基盤として、計算機利用の重要性に鑑み、政府は、速やかに適切な政策と措置とにより、次記の趣旨において、学術研究用大型高速計算機の設置を根幹とする全国計算センター体系の確立を図られるよう要望する。 大型高速計算機を速やかに設置し、計算機利用のサービス機関としての全国共同利用施設を設立すること。 全国の大学、研究機関には、それぞれの規模に応じ、中型あるいは小型電子計算機を組織的に設置し、かつそれらの運営上遺憾なきよう要員