インターネット上で人を傷つける誹謗(ひぼう)中傷が問題となっています。人格否定、侮辱など、SNSには激しい言葉が並びます。5月にプロレスラーの木村花さんが亡くなったこともきっかけに、政府では規制や対策の強化の検討が始まっています。匿名で自由に発信できる現代、越えてはいけない一線とは何か、考えてみます。 ■ネットに一度殺された 僧侶・高橋美清さん 私は一度、インターネットの誹謗中傷によって殺されました。長年「高橋しげみ」という名前で、フリーアナウンサーをしていました。仕事関係者(男性)からストーカーされ、男性は2015年にストーカー規制法違反容疑で逮捕されました。ですが男性は脅迫罪で罰金刑を受けた後に死亡。私は「冤罪(えんざい)で死に追いやった」として、ネットの匿名の人々から大量の激烈な攻撃を受けました。 仕事を全て失い、中傷を信じた多くの知り合いが去っていった。自宅に匿名の電話がかかり、頼