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  • みだれめも 第215回

    みだれめも 第215回 水鏡子 少し古い話になってしまったが、『このライトノベルがすごい!2015』は例年にも増して読み応えがあった。 10周年到達ということで、レイアウトの刷新を始め、いつもより頑張ったのだろう。ずっと関わってきた執筆者一同にも思うところがあった気もする。そんななかでも、なにより得難かったのは、「ネット発小説特集」だった。いわゆる「なろう系小説」について、はじめて俯瞰的眺望をいただけたのである。 ライトノベルという業界は、新勢力の勃興が激しい。同工異曲がまたたくうちにあふれかえり、そこに工夫を凝らした作品が続々現れ、テンプレート化してジャンルの共有財産となっていく。そのこと自体はどこの小説ジャンルでもほぼ共通した傾向(※1)だが、ここに他メデイアで成長した文化が、その文化圏の客層を引き連れたり引き連れなかったりしながら新規参入を繰り返し、ジャンルの旧来読者のマイナー意識変

    みだれめも 第215回
  • 「ハードSF」

    ハードSF 大野万紀 早川書房編集部編「SFハンドブック」掲載 1990年7月15日発行 早川書房 ハヤカワ文庫SF ISBN4-15-010875-7 C0195 SFは、来「サイエンス・フィクション」の略だった。日でも、昔は「空想科学小説」という用語が使われていた。この意味で、SFと科学とは切っても切れない関係にあったはずである。それがいつか、SFの意味する範囲が広がって、科学とほとんど無関係なファンタジイや冒険小説のたぐいもSFと呼ばれるようになり、来の、より科学性の高いSFを「ハードSF]と呼ぶようになった。このように、「ハードSF」という用語は、拡大していくSFの領域に対する、SFファンの「当のSFとはこんなものではなかったはずだ」という嘆きから生まれた、SFというジャンルの中での求心性をもった言葉であり(いや、昔はもっと簡単だった。SFをおおまかに「S派」と「F派」にわ

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